20150922

祝!上棟@富山市月見町





富山市月見町の住宅が上棟しました。
道路に面した東側から見る印象と、
庭に面した南側から見る印象が全く異なる住宅です。

ご親戚から譲り受けた敷地には既存の住宅と車庫がありました。
このうち、住宅のみを解体して、
敷地の道路側にある鉄骨造の既存車庫を残す前提でスタートした計画。
鉄骨で組まれた無骨な構造物の背景に佇む住宅として、
まずは正面の外観をどう形づくるのが相応しいか思案しました。

また、敷地南側には既存の住宅があった頃も十分な庭園スペースがあり、
今回の計画でも南側に庭園スペースを確保します。
その庭園スペースに面するように約23畳のLDKを配置し、
LDKと庭園スペースの間に約12畳の三角平面をした軒下空間(=テラス)を介入させました。

この深く、幅の広い軒に覆われた半外部空間は内外を緩やかに繋ぎ、
南からの強い陽射しを和らげて、
やさしく程よい光をLDKに届けてくれるはずです。








<< posted.
中斉拓也建築設計 | NAKASAI ARCHITECTS

北陸 富山 に拠点をおく設計事務所

20150917

内部造作が進んでいます@富山市小泉町

アプローチから同じスケール感で続く、
細い路地のような玄関土間や廊下をとおり、
2階に配置したLDKにたどり着くと一気に空間の気積が広がって、
光の量が格段に多くなり、視界がグンと外へ開かれます。
建築をつくる際はこのストーリー性が各所にシーンを生み、
空間を豊かにするものだと信じています。
そんな空間づくりを目指した小泉町の現場は、
内部の壁下地までが概ね出来上がり、空間の骨格が見えてきました。
これから各種、仕上げの段階に入ります。

お施主さんと一緒に塗った板の仕上がり具合がとても楽しみです。






<< posted.
中斉拓也建築設計 | NAKASAI ARCHITECTS

北陸 富山 に拠点をおく設計事務所

読み返す。

出 江   寛  「数奇屋の美学」

私が尊敬してやまない方に、
「建築をやるなら、これは読んでおきなさい」と勧められ、
学生の頃に出会った大切な本です。
タイトルだけを見ると、「数奇屋」という偏った美学が綴られていて、
読んでいる途中で挫折しそうなこと間違いなしの1冊です。笑

ところが、、、です。
この本には、
日本人が感じるべき、大切にすべき、美意識が様々な言葉で表現されていて、
ついつい読み進めてしまうんです。
学生時代に何度も読み返し、
建築を設計するうえで大切にしなければならないことを沢山教わりました。


ずっと事務所の本棚に眠っていましたが、
最近、進行中の現場で感じるところがあり、久しぶりに手に取ってみました。
「二元対比の美」、「間の美学と余白」、このあたりを読み返す。。。


例えば、空間の中で異質なものどうしが接するところには、
間(陰影や見切)を介入させ、
互いの独立性を高めることで、空間にメリハリが効いて美しくなる…
というようなことが書いてあります。

異質なものどうしの接線が間を介さずに直接触れていると、
「気持ち悪い」と感じることが多いんです。
建築にはこういった異質なものが接する箇所が無数に存在します。
これら1つ1つに気遣いをし、
丁寧に設計することで、
建築全体の質が向上して美しさに繋がることを再認識!

また明日からの設計や工事監理に生かしていきたい。


<< posted.
中斉拓也建築設計 | NAKASAI ARCHITECTS

北陸 富山 に拠点をおく設計事務所