20150917

読み返す。

出 江   寛  「数奇屋の美学」

私が尊敬してやまない方に、
「建築をやるなら、これは読んでおきなさい」と勧められ、
学生の頃に出会った大切な本です。
タイトルだけを見ると、「数奇屋」という偏った美学が綴られていて、
読んでいる途中で挫折しそうなこと間違いなしの1冊です。笑

ところが、、、です。
この本には、
日本人が感じるべき、大切にすべき、美意識が様々な言葉で表現されていて、
ついつい読み進めてしまうんです。
学生時代に何度も読み返し、
建築を設計するうえで大切にしなければならないことを沢山教わりました。


ずっと事務所の本棚に眠っていましたが、
最近、進行中の現場で感じるところがあり、久しぶりに手に取ってみました。
「二元対比の美」、「間の美学と余白」、このあたりを読み返す。。。


例えば、空間の中で異質なものどうしが接するところには、
間(陰影や見切)を介入させ、
互いの独立性を高めることで、空間にメリハリが効いて美しくなる…
というようなことが書いてあります。

異質なものどうしの接線が間を介さずに直接触れていると、
「気持ち悪い」と感じることが多いんです。
建築にはこういった異質なものが接する箇所が無数に存在します。
これら1つ1つに気遣いをし、
丁寧に設計することで、
建築全体の質が向上して美しさに繋がることを再認識!

また明日からの設計や工事監理に生かしていきたい。


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中斉拓也建築設計 | NAKASAI ARCHITECTS

北陸 富山 に拠点をおく設計事務所

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